園長ブログ

平和の大切さや平和を愛する気持ち、手をつないで生きていく力

2019/06/01

先日、映画「誰がために憲法はある」を見ました。

映画の中で「わたし(憲法)というのは、戦争が終わったあと、こんなに恐ろしくて

悲しいことは二度とあってはならない、という思いから生まれた理想だったのではありませんか」と投げかけます。

今年87歳になる俳優・渡辺美佐子さんは、初恋の人を疎開先の広島の原爆で亡くしたことを

1980年になって知ります。そのことをきっかけに中心メンバーとなり、現在まで33年間、

鎮魂の想いを込めてベテラン女優たちと原爆朗読劇をやり続け全国各地を回っています。

映画は憲法の前文とともに原爆朗読劇の場面や朗読劇に取り組む思いが語られ、

憲法は誰のためにあるのか、誰のために生まれたのかを考えさせられる映画でした。

そして6月。福岡の6月は「平和」について考える月でもあります。

子ども達が歌う「ぞうれっしゃがやってきた」は、戦争が始まり、軍部の判断で、

空襲の際に猛獣が街中へ逃げないよう大型の動物が殺される中、

同園の園長は「訓練されて知能も高い象たちは猛獣ではない」と、体を張って反対しました。

5頭飼われていた象のうちエルドとマカニーは軍馬のえさを食べるなどして生き延びました。

戦前、象を飼育していた東京・上野、大阪・天王寺動物園では象はいなくなっていました。

「象が見たい」という子どもたちの願いをかなえるため、昭和24年6月18日、子どもたちを

東山に送る第1号の列車が初めて彦根~名古屋間を走り、それから数か月の間に、全国各地から

名古屋まで約3万人の子どもたちを乗せて往復したといいます。そして、象を守った人々の思いや

平和への願いを伝えようと、合唱曲「ぞうれっしゃがやってきた」が作られました。

福岡初の動物園は、1933(昭和8)年8月に東公園に開園し、象、ライオン、クマ、オットセイがいました。

しかし、他の動物園と同じように空襲のおそれがあり、爆弾で猛獣の檻が破壊されて猛獣が逃げ出し、

市民を襲うことにもなりかねないとの判断により、昭和19年5月20日に閉園されました。

(キリンをかたどった当時の正門の復刻門が今も馬出小学校に残っています)

福岡市動物園が閉園になった翌年1945(昭和20)年6月19日の夜から20日未明にかけて、福岡市は、空襲にあいました。

「ぞうれっしゃがやってきた」の絵本や歌をとおして歌の中で歴史の事実を体験し、

平和の大切さや平和を愛する気持ち、手をつないで生きていく力を伝えていきたいと思っています。  

どの子にも「自分を支え、認めてくれる仲間」を

2019/04/01

「卒園式」では、運動会や生活発表会では見せてはいなかった「ことばあそび」を

プログラムに入れました。卒園式の取組みでは、ひとりずつ「早口ことば」を考え、

卒園式の練習ごっこで発表してきました。20人の早口ことばも素敵だけれど

ことば遊びで視点が違うものを求めると「なまえ作文」の取組みがはじまりました。

卒園式当日、お祝いに来てくださった方々を目の前に発表することは緊張もし、

声が小さくなる子、大きな声で発表する子など様々でしたが、胸をはってとても素敵でした。

また、ホールの水彩画はこれまで読み聞かせてもらったおはなしの好きな場面、

印象に残る場面を描いています。卒園したこどもたちは、保育園生活で、

新しいことへ挑戦することにやりたがりな面と慎重さをみせていましたが、

卒園式の取組みをとおして、その姿に少しずつ変化がみられました。

活動でおもうようにいかなかった時、支えとなったのが「仲間」です。

「一緒に練習しよう」と誘われたり、少しできるようになると「がんばれ」「できた」と

「仲間」から認められ、そのことを実感し「力がついてきた」と思えたようです。

どの子にも「自分を支え、認めてくれる仲間」が必要なのです。

保育園はひとりのこどもに複数の大人が関わる場所です。

こどもたちをとおして、おとうさん、おかあさんにも「仲間」ができます。

新しい仲間を迎えて、子どもたちと一緒に「仲間づくり」をはじめましょう。

文集へのおもい

2019/03/24

年末から準備していただいた文集の原稿が、形となりつつあります。

文集には、我が子の成長、子育ての想いそして保育内容が綴られています。

一昨年、保育園に30年振りに遊びにきてくれた青年が当時の文集を読み、親の子育てを知り

「こんなに真剣に向き合ってくれている。今の自分よりもずっと大人。

(文集に)書かれている親の思いを直接、聞いたことはないけれど、両親のすごさを感じる」と

言っていました。

親にとって文集は、子育ての振り返り、どれだけ大切に育ててきたか我が子へのメッセージが綴られ

こどもにとって文集は、どれだけ愛され育てられてきたか、親からのメッセージを受取り

職員にとって文集は、保育の積み重ねを確かなものにし、共育ちを感じるものになっています。


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